2013年6月22日土曜日

三菱UFJ、クルンシ買収!既存タイ関連事業はどうなる?

タイ商業銀行5位のアユタヤ銀行(クルンシ=Krungsri ヤンナワ区、SET上場)は、大株主のGEキャピタルが放出するとしていた株の売却先を日本最大手、三菱東京UFJ銀行の持株会社『三菱UFJフィナンシャル・グループ』(東京都千代田区、東証1部上場)に決定する方向で最終調整中だと、日本経済新聞が22日付朝刊で報じました。

(前記事「クルンシ銀行が日系資本に」の続きです)

三菱UFJフィナンシャルグループは、旧東京銀行の時代まで遡るとタイ国内で60年以上に渡って営業を続けており、在タイ外国銀行として有数の規模を誇ります。このため、クルンシがMUFG入りすると、日本人社会にも少なからぬ影響があります。

《三菱UFJ銀行バンコク支店は廃止》
買収が実現した場合、現在の三菱東京UFJ銀行バンコク支店は存続が不可能になります。三菱UFJの海外支店の口座は、進出している企業の日本人駐在員とかでなければほとんど縁がありませんが、もし持たれている方は三菱UFJ銀行バンコク支店の閉店後、クルンシ口座への移行手続きが必要です。

現在のMUFGの口座はクルンシの本店(ヤンナワ区ラマ3世通り、基幹バスBRTワットダン駅下車徒歩5分)に移行する可能性が高いと予想されます。

《カード業務はクルンシでは取り扱わない》
日本の三菱UFJ銀行が現在発行している「スーパーICカード《三菱東京UFJ-VISA》」や、旧東京三菱銀行時代に発行された「インターナショナルカード」「マイカードインターナショナル」、旧三和銀行、UFJ銀行時代に発行された「オールワンカード」など、海外での預金引き出しができるキャッシュカードでは紛失・再発行といったサポート業務がジェーティービー(東京都品川区)に委託されています。これはクルンシがMUFG入りした後も不変で、クルンシの支店では日本発行のカードに関する業務は当面取り扱いません。

《EASY BUYも統合へ》
MUFGでは、消費者金融部門子会社のアコム(東京都千代田区、東証1部上場)もタイに進出しており、現地法人「イージーバイ」(バンラック区)を通じて割賦販売「EASY BUY(イージーバイ)」と消費者金融「umay+(ユメプラス)」を手掛けています。このうち、EASY BUYはクルンシがGEから引き継いだ「クルンシファーストチョイス」に統合されることが事実上確定。umay+も、銀行本体の個人向けローンやクルンシファーストチョイスに吸収される可能性があります。

《周辺諸国への進出》
クルンシはビエンチャンに支店を持っており、三菱UFJもここを拠点にしてラオスにおける本格金融業務展開への足掛かりを得ます。カンボジアでは、三菱UFJが地元大手のカナディア銀行と提携。ミャンマーでも大手のコーポラティブ銀行と提携をすることになっており、クルンシの顧客となる日系企業の現地法人や地元起業家を支援する体制が整います。