2013年9月5日木曜日

ラジオNIKKEIを海外で「安定して」聞くには?

日本、というより東アジア唯一の短波商業民放として60年の歴史を有する『ラジオNIKKEI』(正式社名:日経ラジオ社、東京都港区)。昼間は証券投資家向け、週末は競馬中継と対象リスナーを徹底的に絞り込んだ編成で支持を得ています。

ラジオNIKKEIを受信するには、普通のAMやFM放送と違い、短波帯に対応した専用のラジオが必要です。これはNHKワールドラジオ日本と変わりません。国内向けであれば、ICF-EX5MK2(ソニー、16,800円)がありますが、短波が昼間から直接受信できる中国やフィリピンなどで聴こうとすると、『ICF-SW7600GR』(ソニー)などNHKワールドも聴けるラジオを持って行くのが普通。しかし、インターネットを経由して世界中どこからでも安定して聞く方法があります。
NHKが行っているラジオのネット同時配信『らじる☆らじる』では、VPNをかますことで海外でも利用することができました(前記事「NHKラジオ第1放送を海外で聴くには」参照)。これを応用して、本来は日本国内向けに行われている民放ラジオのインターネット配信サービスradikoに、日本発着のできるVPNを経由して接続します

例えばTraveler's Supportasiaで何度も引き合いに出している『つながるもん』をかまして、radikoのサイトに接続すると、関東圏のAM・FM局に混じって、ラジオNIKKEI第1」「第2」という文字が出てくるではありませんか。短波帯の放送時間と同じ、日本時間の朝7時~24時まで、第1放送、RN2(第2放送)の全番組が聴けます。

スマートフォンの場合は、VPN接続に対応させるアプリと、Radikoの公式アプリまたは非公式版の『radikker』(ラジッカー)を使います。iPhoneではVPN接続アプリとして、『VPN Gate Viewer』『OpenVPN』の2つのソフトが必要です。VPN Gate Viewerで接続可能先を探して、接続先情報をOpenVPNにコピーし接続する形です。

なお、海外からのVPN接続ではRadiko公式アプリもradikkerも着信した都道府県域をカバーする放送局を受信するのが原則なのですが、radikkerは日本国内の携帯電話網経由で接続すると、携帯各社のインターネットゲートウェイが東京にしかないため、全国どこからでも関東地区の放送が聞こえる仕組みになっています。

ネット経由の日本株投資で生計を立てているプロ投資家の方には、ラジオNIKKEI第1放送は生命線ともいえる情報を提供してくれるので、VPN接続をマスターする必要があると言えます。

ちなみに、1999年(平成11年)から行われていたラジオNIKKEIホームページでの番組ストリーミング配信は、radikoが日本全国で利用できるようになったとして2012年6月30日限りで終了。現在は、海外からの受信はVPN経由のradikoか、短波放送を直接受信するしかありません。