2013年12月16日月曜日

ガルーダ航空のスカイチーム加盟が確定

ガルーダインドネシア航空(GA=GIA、ジャカルタ)が2000年代後半以降最大の経営目標としていた、国際航空連合「スカイチーム」への加盟が正式に認められることになりました。スカイチーム本部(オランダ・アムステルダム)は公式ホームページを更新、ガルーダの加盟が来年3月5日(水)に決まったと発表しました。東アジア7社目、ASEAN域内ではベトナム航空(VN)に次いで2社目のスカイチームメンバーズ誕生となります。

ガルーダ航空は2007年、インドネシア国内の他の航空会社とともに欧州圏への乗り入れを禁止される「ブラックリスト」に入れられるという危機を迎えました。既に水面下で進められていたスカイチームへの加盟交渉は一時中断し、インターラインなどの提携も取りやめられるなど深刻な事態となったものの、B773ERやB738といった新造機の大量投入で体制を一新。安全面もKLMオランダ航空(KL)やデルタ航空(DL=DAL)といったスカイチームメンバーズの協力で国際水準を満たす程に高め、2009年7月にブラックリスト削除、翌2010年11月にはスカイチームへの加盟契約締結に至ります。ガルーダがスカイチームと加盟契約を交わしたことで、マレーシア航空(MH=MAS)は立ち位置を失い、ワンワールド加盟へと一気に舵を切らざるを得なくなりました(前記事「マレーシア航空がワンワールド入りへ」参照)

その後、2012年中に予定されていた加盟が延期されるといったトラブルはあったものの、この度スカイチーム本部はガルーダが加盟基準を完全に満たしたと認定、全体で20社目となるスカイチームメンバーズ入りが決まりました。2014年3月5日以降、ガルーダを利用する乗客は『スカイマイル』(デルタ航空)や『ダイナスティフライヤー』(チャイナエアライン/CI=CAL)といったスカイチームメンバーズ各社のマイレージプログラムでマイルを積算できるとともに、特典航空券や上級会員用のラウンジなども利用できるようになります。

《ANAとの提携はアライアンスの枠外》
ガルーダはこの発表とは別に、ANA(NH、東京都港区)との間で日本路線に絡む包括提携を結ぶとも発表しました。スカイチーム加盟社と日系航空会社が個別提携している例は、日本航空(JL=JAL、東京都品川区)とエールフランス(AF=AFR)、中国東方航空(MU=CES)、中国南方航空(CZ=CSR)、大韓航空(KE=KAL)の関係がありますが、ANAとスカイチームメンバーズが2社間関係を結ぶのは初めてです。

ANAでは、スターアライアンスメンバーズ以外との個別の提携関係も積極的に推進しており、ワンワールドに加盟する前のマレーシア航空や、カタール航空(QR=QTR)と長年関係を持っていました。ANAとの信頼強化が後のスターアライアンス加盟につながったエバー航空(BR=EVA)の例もあります。

ANA本社広報部はTraveler's Supportasiaの電話取材に対し、この提携に関してはアライアンスの制約を受けない2社間の個別のものだと説明しました。

「今回の提携に関してはスターアライアンス内のルールに則り加盟他社の了解を得た上で実施する。ガルーダが来年スカイチームに行くことも承知しており、それを踏まえた上での決断だった

とのこと。2010年に解消されたデルタ航空とシンガポール航空(SQ=SIA)の提携関係以来となる、スターアライアンス加盟社とスカイチームメンバーのコラボレーションの行方に注目です。