2014年5月31日土曜日

めざせ、日本国民2億人!?少子化ストップへの一歩

大学受験予備校『東進グループ』や中学受験予備校『四谷大塚』などを傘下に持つ教育産業大手・ナガセ(東京都武蔵野市、東証ジャスダック上場)の永瀬昭幸社長兼ファウンダーは29日、日本経済新聞朝刊で全面広告を打ちました。内閣総理大臣・安倍晋三(自民党・衆院山口4区)が「骨太の方針2014」に盛り込もうとしている「50年後に総人口1億人台維持」の目標に対抗し、「50年後に2億人突破」へ向けて大胆な政策を打つ必要がある、という強烈な意見広告で、董事長ふくちゃんをはじめ、読者からは衝撃をもって迎え入れられています。

日本の総人口を2億人まで引き上げるというのは、新興宗教団体『幸福の科学』を母体とする幸福実現党が2012年12月の衆議院総選挙で政権公約に書いていたのですが、これはあくまでも理想論止まりで、現実的に可能な手法論について議論される以前に、まったく相手にされませんでした。今回は、人口動態の変動が業界全体の長期的な見通しに直結する教育産業に長年身を置いた永瀬氏の発言だけに意味合いが大きく、日本経済新聞東京本社(東京都千代田区)も、会社名義の契約かつ永瀬氏が記者のインタビューに答えるという形を取るのであれば出稿をOKせざるを得ないとの判断に傾いたようです。

終戦直後の混乱期に生まれた『団塊第一世代』が定年を迎え、その子どもたちである『団塊ジュニア』も40代に差し掛かっている今、団塊ジュニア世代の子ども、即ち団塊第一世代の孫を産もうとする意欲が失われたゆえに少子化が進んでいるのではないか。逆に言えば、団塊ジュニア世代やその下にあたる昭和50~60年代、そして平成1ケタ生まれ世代が奮起すれば、日本の総人口は上昇カーブを描く。それに合わせて、教育産業の需要計算も変わっていき、2010年代後半を堪え切れば、東京オリンピック後の2020年代には再び成長への軸足を取ることができる。永瀬氏はこう考えたのです。

もちろん、この2億人と言う数字には、在外邦人の子供として海外で産まれ、日本国籍を取得した人も含まれます。最初は外国の教育を受けたとしても、いずれ日本に戻ってくる帰国子女の数は今以上に増えることになります。董事長ふくちゃんの住むバンコクでは、日本人学校(泰日協会学校、ホイクワン区)の児童・生徒数が増加の一途を辿っています。彼ら・彼女たちも必ず卒業の時を迎え、やがて大人になって、日本で子供を作ることになる訳です。その時に何ができるかを、今の世代が考えてあげないといけません。言うならば次の世代に何を残せるのかが問われているのです。