2014年6月20日金曜日

タイガーエアマンダラ、消滅へ

タイガーエアマンダラ(RI=MDL、ジャカルタ)は、6月30日(月)限りで大半の事業活動を終了することを決定、発表しました。実際は、7月1日未明に出発する香港発デンパサール行きの夜行便が最後となり、旧マンダラ航空以来45年間、タイガーエアグループとしては2年2カ月の歴史に終止符を打ちます。

インドネシアに限らず、ASEAN域内はアジアの中でも格安航空会社(LCC)が比較的早くから普及しましたが、当初主流だった「本格航空会社vsLCC」という競争構図は早々と終わりを告げ、現在は地場系vs外資系という、LCC同士の競争の方が激しさを増しています。

インドネシアでは、タイガーエアマンダラとインドネシアエアアジア(PQ=AWQ)が外資系で、地場系のライオンエア(JT=LNI)、シティリンク(QG=CTV)を相手に激戦を繰り広げてきました。地場系が東西に長い国土をネットする国内線を固めに入ると、外資系2社は幹線国内便を運航しつつも国際線に活路を求める戦略を取り、今年2月にはメルパチヌサンタラ(MZ=MNA)がこの競争の狭間に追いやられ運航を一時停止しました。

しかし、LCC同士の競争でも各社消耗戦の様相を見せるようになり、タイガーエアは本体(TR=TGW シンガポール、SGX上場)の赤字決算もあって拡大一辺倒の経営方針を見直します。今年1月には、タイガーエアフィリピン(DG=SRQ)をセブパシフィック(5J=CEB マニラ首都圏パサイ市、フィリピン証取上場)に売却。これに続いてマンダラも整理の対象になりました。日本経済新聞は5月29日、シンガポール支局発で

「タイガーエア本体が2014年3月期まで3期連続で最終赤字、インドネシアからの撤退も検討している」

と伝えます。その頃、会社側もタイガー本体やインドネシア側の株主と共に身売り先を探しましたが不調に終わり、このままタイガーが資本を引き上げれば運航継続はできなくなるとして、多くの企業で四半期末決算を迎える6月30日をもって事業活動を取りやめるという決定を行いました。

7月1日以降に運航される予定だったRI便名のインドネシア発着便を予約している乗客については、タイガーエア本体が債務保証する形で返金を行います。タイガーエアのホームページを参照の上、7月31日までに申し出てほしいとのことです。