2015年11月8日日曜日

観光マルチビザの第三国発給は困難か!?

在外のタイ大使館・総領事部では、いよいよ今週末の13日に迫ったマルチプルエントリー観光ビザ(TR-M)申請受付開始に向けて、諸条件などの準備を進めています。これまでのところ、観光マルチビザは申請者の本国または最寄の国のタイ大使館・総領事部で取得するのが基本とされている模様。従来のダブルビザのように第三国で簡単に取れる訳ではなくなりそうです。

在ビエンチャンタイ大使館(ラオス)はマルチビザ申請希望者に対し、20万Bt.相当以上の預金残高証明に加え、第三国国籍であればラオス国内での適法な長期在留資格を証明できる書類を要求すると発表。長期在留資格がない旅行者は、従来ダブルまで申請できていたのがシングル(1,000Bt.で60日間)のみ申請可能に変わり、一歩後退します。

在東京タイ大使館(東京都品川区)では、シングルビザの申請時と比べて大きな金額の貯蓄を要求すると通達しています。シングルビザでは個人で20,000Bt.(7万円)、家族40,000Bt.(14万円)以上の残高証明書を提出すればよいことになっていますが、マルチプルでは個人か家族かに関係なく1人につき20万Bt.(80万円)相当以上の残高水準を直近6ヶ月以上連続で維持していることが必要としてきました家族同時申請であれば80万円×人数分、つまり親子4人なら320万円必要ということになり、ハードルが極端に上がります。

在ソウルタイ大使館(韓国)の場合、外国人登録カードのコピーおよび在留資格に合わせた保証書ないしは推薦状が追加書類として指示されており、銀行残高も7,000US$(85万円)以上を維持していなければなりません。

在シンガポールタイ大使館領事部では、マルチプルビザはシンガポール国民か就労許可をはじめとする長期滞在パスを所持する第三国国籍者に限り受け付けると通達しました。日本人の場合はワークパーミット(一般労働者向け就労許可)が出ないため、原則としてSパス(熟練労働者向け就労許可)、EP(管理職向け就労許可)のどちらかを持っていることが必要で、なおかつパスの在留許可も2ヶ月以上残っていなければなりません。在留許可の残りが2ヶ月未満であれば勤め先の保証書も要求されます。預金残高証明は他の大使館よりさらに厳しく8000US$(95万円)以上を6ヶ月間維持とされています。

在コタバルタイ総領事部(マレーシア・クランタン州)も、第三国国籍者はマレーシアのレジデンスパーミットと就労先発行のレターが最低必要と規定。また最初の1回は空路で入国しなければならないとしてその予約記録とホテルバウチャーを必要書類に加えています。残高証明は2万リンギットマレーシア(58万円)以上と若干安くなっています。

在プノンペンタイ大使館(カンボジア)でも、第三国国籍者がマルチプル観光ビザを申請する場合はカンボジアの永住資格を所持していることが必要としています。日本人の場合、簡単な手続きで取得できる1年マルチプルエントリービザだけでは認められません。もっとも、陸上男子フルマラソンで活躍している滝崎邦明(猫ひろし)氏のように国籍を変更する荒業に出れば話は別です。