2016年1月31日日曜日

UA成田~シンガポール線廃止決定!アメリカ直行に切り替え

ユナイテッド航空(UA=UAL アメリカ・シカゴ、NASDAQ上場)は、現在運航している成田~シンガポール(チャンギ)線に代えて6月からサンフランシスコ~シンガポール直行便を運航すると発表しました。東南アジアからアメリカ西海岸への米系キャリアによる直行便は初めてで、同時に日本と東南アジアを結んだUA自社便は30年の歴史にピリオドを打ちます。

《サンフランシスコ発6月1日、チャンギ発6月3日から有効》
UA001 SFO2325~SIN0645+2 DAILY
UA002 SIN0845~SFO0915 DAILY

(機材はB789 ビジネスファースト=ビジネスクラス48席、エコノミープラス=プレミアムエコノミー88席、ユナイテッドエコノミー=エコノミークラス116席)

《成田発6月1日、チャンギ発6月2日のフライトをもって取りやめ》
UA803 NRT1825~SIN0115+1 DAILY
UA804 SIN0715~NRT1455 DAILY

(機材はB772ER グローバルファースト=ファーストクラス8席、ビジネスファースト40席、エコノミープラス110席、ユナイテッドエコノミー108席)

ユナイテッド航空の成田~シンガポール線は、先に廃止になったバンコク線と同じく旧パンアメリカン航空(PA=PAA)から権利を受け継いで1986年(昭和61年)2月に運航を開始した路線で、ちょうど30年の歴史を積み重ねてきました。2004年にはシンガポール航空(SQ=SIA)がシンガポール~ロサンゼルス直行便を就航させましたが、ユナイテッドは成田国際空港での無制限以遠権を活用するという理由で、これまでは日本経由のアメリカ本土~東南アジア間ルートを重視してきました。

ところが2011年4月、UAは太平洋線でANA(NH、東京都港区)と共同事業を行うことになり、2012年春からは、アジアでも共同化に取り組むようになりました。それに加え、アメリカ本土と中華圏を結ぶフライトも充実し、香港、台北、北京といったディスティネーションからの成田乗り換え便が次々と直行便に切り替えられていきます。

この過程で、UA、ANA両社の自社便がほぼ同じ時間に飛んでいるバンコク、シンガポール線について、ANAへの一本化が検討されたといいます。そして2014年夏スケジュールでバンコク線がANA便へ一本化されて廃止に(前記事「ユナイテッド航空バンコク線28年の歴史に幕」参照)。シンガポール線は、両都市間を直行できる長距離性能を持つB789が納品されるのを待って将来的にANAに一本化する経営方針を立てました。今回、B789の納機が進み直行便の運航を始められる目途が立ったため、日本経由自社便を終了することにしたものです。

ANAは成田~チャンギ間に1日2便を運航していますが、UA803・804便はANAの801・802便と時間が重なるため、そちらで代替します。

NH845 NRT1650~SIN2325 DAILY
NH846 SIN0035~NRT0840 DAILY

(機材はB788 ビジネスクラス42席、エコノミークラス180席)

NH801 NRT1805~SIN0040+1 DAILY
NH802 SIN0640~NRT1420 DAILY

(機材はB773ER ファーストクラス8席、ビジネスクラス68席、プレミアムエコノミー24席、エコノミークラス112席)

なお、シンガポール航空は2013年冬スケジュールでチャンギ~ロサンゼルス直行便を廃止しましたが、エアバス345やB772LRに匹敵する長距離性能を持つ新型機、エアバス359ULRで復活させる計画を持っています。

ちなみに、成田~仁川線のUA便は存続しますが、こちらはANAが羽田~金浦線に集中するため、初代エアアジアジャパン(JW=WAJ。現在のバニラエア/JW=VNL)の運航開始の時に撤退したという事情があります。

UA079 NRT1830~ICN2130 DAILY
UA078 ICN1325~NRT1545 DAILY

(機材はB738 ユナイテッドビジネス=ビジネスクラス16席、ユナイテッドエコノミー138席)