2018年3月23日金曜日

「第4版人民元」回収へ

中国人民銀行(日本の日銀に相当する中央銀行、北京市)は、1980年代から90年代にかけて発行された「第四套(第4版)」人民元紙幣の流通を終了させ、順次回収すると発表しました。

第四套人民幣は、それまで20年以上更新されなかった第三套人民幣に代わる世代の紙幣として、1980年から流通がスタート。同時に導入された外国人旅行者向けの『外貨兌換券』と共に広く使われました。10年後の1990年には、高額の50元と100元紙幣が改訂。兌換元が廃止された1995年以降は在中国の外国人も使うようになり、1999年の第五套発行まで、主力の地位にありました。

第五套発行後も、第四套紙幣を引き続き流通させ、商業銀行に戻ってきた紙幣から順次回収してきましたが、第五套の発行開始から既に19年が経っており、今後ニセ札などの危険が増すことや、『支付宝(日本名Alipay)』『微信支付(Wechat Pay)』といった電子決済の普及によって現金の需要が急減していることなどにより今回、市場での流通を終了させることにしたものです。

今回、流通が終了するのは紙幣の裏面に「1980」の数字がある2角(0.2元)、1元、2元、5元、10元、50元、100元札と、「1990」の数字がある50元・100元紙幣、および1角(0.1元)硬貨です。この他に1角(0.1元)と5角(0.5元)紙幣および5角、1元の硬貨がありますが、この4種類は引き続き流通します。

お手持ちの第四套人民幣は、4月30日までは市場で普通に使えます。5月1日からは中国人民銀行または中国銀行(BOC)、中国工商銀行(ICBC)など商業銀行の支店窓口で第五套紙幣に等価交換できます。2019年5月以降は、人民銀行支店または人民銀行が指定する一部の商業銀行の窓口で交換を受け付けてくれる予定です。