2018年4月29日日曜日

【外国人専用】関東大手民鉄乗り放題パス登場

関東の大手民鉄8社と東京メトロ(東京都台東区)、東京都交通局(都営交通:東京都新宿区)、横浜市交通局(横浜市中区)はこの度、既存のPASMO協議会とは別に『Greater Tokyo Pass 協議会』(幹事社:京成電鉄=千葉県市川市、東証1部上場)を立ち上げ、4月から訪日外国人向け企画乗車券『Greater Tokyo Pass(グレータートーキョーパス)』の発売を開始しました。

Greater Tokyo Passは、協議会に加盟する大手民鉄8社の鉄道全線と東京メトロ、都営、横浜市営の地下鉄全線、それに大手民鉄系を中心とした南関東地方のバス会社の一般路線が連続3日間乗り放題となる企画乗車券で、近畿圏で発売されている『KANSAI THRU PASS(カンサイスルーパス、旧スルっとKANSAI3dayチケット)』の関東版にあたるものです。大人7,200円、こども3,600円で、京成成田空港駅・空港第2ビル駅(千葉県成田市)、京浜急行羽田空港国際線ターミナル駅(東京都大田区)をはじめとする大手私鉄各社の外国人対応窓口で発売します。東京メトロ上野駅(東京都台東区)では、中国で普及しているモバイル決済『支付宝』(日本名Alipay)での支払いにも対応します。

Greater Tokyo Passの乗り放題対象となるのは、次の会社です。

《東京メトロ》

《東武グループ》
・東武鉄道(東京都墨田区、東証1部上場)
・東武バスセントラル(東京都足立区)
・東武バスウエスト(さいたま市北区)
・朝日自動車(埼玉県越谷市)
・茨城急行自動車(埼玉県松伏町)
・川越観光自動車(埼玉県滑川町)
・国際十王交通(埼玉県熊谷市)
・東武バスイースト(千葉県柏市)
・阪東自動車(千葉県我孫子市)

《京成グループ》
・京成電鉄
・京成バス(千葉県市川市)
・京成タウンバス(東京都葛飾区)
・東京ベイシティ交通(千葉県浦安市)
・京成トランジットバス(千葉県市川市)
・ちばレインボーバス(千葉県印西市)
・ちばシティバス(千葉市美浜区)
・千葉海浜交通(千葉市美浜区)
・千葉中央バス(千葉市緑区)
・千葉内陸バス(千葉県四街道市)
・ちばグリーンバス(千葉県佐倉市)
・ちばフラワーバス(千葉県山武市)
・千葉交通(千葉県成田市)
・成田空港交通(千葉県成田市)
・小湊鐡道(千葉県市原市)

《西武ホールディングス(東京都豊島区、東証1部上場)傘下》
・西武鉄道(埼玉県所沢市)
・西武バス(埼玉県所沢市)
・西武観光バス(埼玉県所沢市):軽井沢営業所(長野県軽井沢町)管内は対象外

《小田急グループ》
・小田急電鉄(東京都新宿区、東証1部上場)
・小田急バス(東京都調布市)
・立川バス(東京都立川市)
・シティバス立川(東京都立川市)
・神奈川中央交通(神奈川県平塚市、東証1部上場)
・江ノ電バス藤沢(神奈川県藤沢市)
・江ノ電バス横浜(横浜市港南区)

《京王グループ》
・京王電鉄(東京都多摩市、東証1部上場)
・京王電鉄バス(東京都府中市)
・京王バス東(東京都中野区)
・京王バス中央(東京都府中市)
・京王バス小金井(東京都小金井市)
・京王バス南(東京都八王子市)
・関東バス(東京都中野区)
・西東京バス(東京都八王子市)

《東急グループ》
・東京急行電鉄(東京都渋谷区、東証1部上場)
・横浜高速鉄道(横浜市中区)
・東急バス(東京都目黒区)
・東急トランセ(東京都目黒区)

《京急グループ》
・京浜急行電鉄(東京都港区、東証1部上場)
・京浜急行バス(東京都港区)
・川崎鶴見臨港バス(川崎市川崎区)

《相鉄ホールディングス(横浜市西区、東証1部上場)傘下》
・相模鉄道(横浜市西区)
・相鉄バス(横浜市西区)

《ビィートランセホールディングス(千葉市稲毛区)傘下
・平和交通(千葉市稲毛区):THEアクセス成田は利用不可
・あすか交通(千葉市稲毛区):THEアクセス成田は利用不可

《公営交通》
・都営交通
・川崎市バス(川崎市川崎区)
・横浜市営

《独立系バス会社》
・国際興業(東京都中央区)
・日立自動車交通(東京都足立区):対象路線は晴海ライナー(東京都中央区)のみ
・東洋バス(千葉市花見川区)
・千葉シーサイドバス(千葉市花見川区)

この1枚で東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の大半をカバーし、群馬県・栃木県の東武電車沿線や茨城県西部の坂東市・境町にも行くことができますが、神奈川県西部の箱根エリアに路線を持つ箱根登山鉄道・箱根登山バス(神奈川県小田原市)と伊豆箱根鉄道・伊豆箱根バス(静岡県三島市)が含まれていません。箱根登山電車・バスを利用する場合は『箱根フリーパス』(2日券4,000円、3日券4,500円)か『トコトコきっぷ』(1,540円)、伊豆箱根バス利用であれば『箱根バスフリー』(1日券1,700円)『箱根旅助け』(2日券3,000円)という自社専用のフリーパスを、小田原駅(神奈川県小田原市)で別途購入する必要があります。東武鉄道でも鬼怒川線新藤原駅(栃木県日光市)から先まで行くのであれば『野岩鉄道会津鬼怒川線フリーきっぷ』(2,070円)か『野岩・会津全線フリーきっぷ』(4,270円)を別途購入しなければなりません。

また、鉄道各社については有料特急・ライナー列車利用の場合、料金を追加で支払う必要があります。対象となるのは、次の列車です。

東武:『リバティ』『スペーシア』『りょうもう』『大樹(SL・DL共)』『TJライナー』
京成:『スカイライナー』『モーニングライナー』『イブニングライナー』
西武:『レッドアロー』『S-TRAIN』『拝島ライナー』
小田急:『ロマンスカー』(東京メトロ直通も同様。『ふじさん号』は松田駅=神奈川県松田町 まで利用可)
京王:『京王ライナー』
東急:『S-TRAIN』
京急:『ウィング』『モーニングウィング』

そして、Greater Tokyo Passが使えない列車や駅もあります。

東武:『日光号』『きぬがわ号』(JR湘南新宿ライン直通のため。JR側の『JR TOKYO Wide Pass』では利用可能)
『スノーパル』『尾瀬夜行』(東武トップツアーズ(東京都墨田区)のパッケージツアー商品でなければ購入できないため)
京成:成田スカイアクセス線のうち、北総鉄道が管理している駅(北総鉄道(千葉県鎌ヶ谷市)は協議会に参加しないため。北総線区間を通過して成田湯川駅以遠に行くか、空港第2ビル駅折り返しで成田湯川駅・印旛日本医大駅で降りるのであれば利用可能)
西武:『52席の至福』(専用のWebサイト以外では販売していないため)
東京都営:新交通日暮里・舎人ライナー(全駅が機械化されており磁気のない乗車券に対応していないため)

このため、京成線から東武アーバンパークライン(野田線)に乗り換える場合、本線経由で船橋駅(千葉県船橋市)まで行く必要があります。アクセス特急に乗ると新鎌ヶ谷駅(千葉県鎌ケ谷市)で東武アーバンパークラインに乗り換えできますが、新鎌ヶ谷駅は北総鉄道管理駅なので、北総線区間の運賃を現金か交通系ICカードで精算する必要があります。成田空港方面から来た方は、Greater Tokyo Passは印旛日本医大駅(千葉県印西市)までの利用とみなされ、印旛日本医大~新鎌ヶ谷間の切符利用運賃690円を請求されます。一方、高砂方面からの場合は、京成高砂~新鎌ヶ谷間の切符利用運賃570円を払うことになります。

なお、関東管内のJR線についてはJR東日本(東京都渋谷区、東証1部上場)に同種の商品『JR TOKYO Wide Pass』がある他、成田空港への往復と東京メトロ、都営地下鉄だけで良いのなら京成バスが『東京シャトル&サブウェイパス』、東京空港交通(東京都中央区)も『リムジン&サブウェイパス』を発売しています。羽田空港からの片道プラス地下鉄では、京急が『羽田ちか鉄共通パス』(メトロ・都営地下鉄共通、1,310円)と『東京トラベル1DAYパス』(都営地下鉄のみ、800円)を用意しています。