2018年8月2日木曜日

バニラエアセブ線撤退へ!厳しすぎる目標達成できず

バニラエア(JW=VNL、千葉県成田市)は、2016年12月から運航してきた成田~セブ(フィリピン・セブ州)線を運休する方針を固めました。搭乗率は悪くなかったものの、他社との競合に加え、設定した目標が高すぎたためにノルマ未達と判断され、撤退する形。2020年度に予定されているPeach(MM=APJ、大阪府田尻町)との合併後に少なからぬ影響を残すことになりそうです。

《10月27日のフライトを持って取りやめ》
JW601 NRT1000~CEB1415 DAILY
JW604 CEB1510~NRT2055 DAILY

(機材はエアバス320ceo エコノミークラスのみ180席)

成田~セブ間には、本格航空会社(FSC)のフィリピン航空(PR=PAL)とフィリピン側LCCのセブパシフィック(5J=CEB)が就航していますが、日系航空会社はバニラエアのみで、2016年12月の運航開始当初から、奄美大島(鹿児島県奄美市)に続くドル箱候補として将来を期待されていました。

しかし、会社側は期待の高さを強く意識し、最低ノルマともいうべき搭乗率を高く設定してしまいます。東京で編集されている『Aviation Wire』は、セブ線のノルマが85%に設定されていたと報じました。

FSCであればビジネスクラスやプレミアムエコノミーで客単価を上げることにより、60%台の搭乗率でも採算を確保できますが、オールエコノミークラスのLCCは80%近い搭乗率で安定しないと、軌道に乗りません。セブ線の過去2年間の搭乗率は会社側によると80%前後と採算確保ラインには達していたようですが、目標の85%にはわずかに届かず、長時間フライト(片道5時間)に伴う燃料コストの問題と、セブパシがバニラエアと同じバリューアライアンスメンバーズであることに伴う、アライアンス全体としての供給座席数過剰を考慮した結果、半ば機械的に廃止が決まってしまいました。

10月28日以降は、セブパシの成田~セブ線で代替されます。

《11月29日まで有効》
5J5063 NRT1155~CEB1605 火・木・土・日曜運航
5J5062 CEB0530~NRT1110 火・木・土・日曜運航

《12月1日から有効》
5J5063 NRT1155~CEB1605 DAILY
5J5062 CEB0530~NRT1110 DAILY

(機材はエアバス320ceo エコノミークラスのみ180席)