2006年11月18日土曜日

タイビザの発給基準、未だに曖昧

 10月1日から入管移民法の運用が厳格になり、1ヶ月以上が過ぎました(前記事「タイのビザ制度に大きな変更!!」参照)。特に長期在留者の間で影響が懸念されている「ビザなし6ヶ月90日ルール」について、そろそろ新基準で不利を被る人が出始めるのでは、と見る向きもありますが、 実際は予想されたほどでもないどころか、このまま反古にされてしまうのではないかという噂すらあります。

 管理チーム(管理者ふくちゃん、副管理者fortunesawada)が10月8日にターク県メソットでビザなし渡航を更新した際、入国スタンプの横に「①」と手書きされました。これは、10月1日以降最初にビザなしで入国した事実を証明するもののようで、同じ時期にアランヤプラテート(サケオ県)やサパンプラ(ラノーン県)でビザランした別の長期滞在者からも、同様の報告を受けています。
 規定通りであれば、30日*3回連続=90日で、この数字が「④」になるなら入国拒否、ということも可能になるとみられていました。しかし、実際には数字が④になるからといって直ちに入国を拒否できる訳ではありません。90日の間に何回出入国したかは問われないからです。



 ビザクリアツアーを運営している日系代理店「トンボトラベル」は、ビザなしで長期滞在していた沈没者の利用が減ると見て、アランヤプラテート日帰りツアーを毎日運行から隔日(偶数日のみ)に減回しました。その分が正規観光ビザ取得ツアー(ペナンやビエンチャン)にシフトすると判断しています。
 やはりビザクリアツアーを扱っている韓国系の代理店「ジャックスゴルフ」は、移民庁担当官から「6ヶ月間に90日というビザなし期間を管理するコンピュータシステムの構築が追いつかず、在外公館からも苦情が殺到したため、ルール適用を無期延期すると説明されたといいます。
 そのジャックスゴルフも対策を練っており、在サワンナケットタイ国領事館(ラオス)へ正規ビザを取りに行く0泊3日(!)ツアーを始めました。ラオスビザ、タイ正規ビザ申請、往復バス代、3食がセットになっていて6,600Bt.。週2回の催行でバンコクを日曜日と木曜日の夜8時に出発します。パタヤ発着もでき、こちらは7,000Bt.。火曜日の夜7時に出発する週1回催行です。
 一方、台湾系の代理店「TVCサービス」は、ノンイミグラントB、Oといった長期ビザの取得も想定して、空路ビザ取得ツアーの目的地にシンガポールと台北を追加しました。

 正規観光ビザの発給基準は、移民庁本庁によりますと「一律に規制強化することはしない」といい、従来通り各在外公館の判断に任せられています。このため、発給されたり拒否されたりする例は、公館ごとにまちまちです。
 管理チームは、11月7日に在コタバルタイ国総領事館(マレーシア)で正規ビザを直接申請し、翌8日に受け取りました(前記事「在コタバルタイ領事館、全然ガラガラ!」参照)。この時、管理者ふくちゃんのパスポートには連続1年を超えるビザなし滞在、副管理者fortunesawadaも過去にオーバーステイで20,000Bt.を払って出国した記録があった(前記事「実践、オーバーステイ処理」参照)にもかかわらず、何の留保条件もなく正規ビザは発給されました。
 一方で、在ビエンチャンタイ大使館(ラオス)で正規ビザを直接申請した別の長期在留者が、「当館での取得は今回限りとする」という条件をスタンプされてしまったとの報告も聞いています。

 10月以降もビザなし渡航を続けている長期沈没者が、90日経過する12月27日に入国拒否されるか否かが、次の焦点となっています。とはいえ、6ヶ月間に90日を超える滞在を希望する外国人は正規ビザを取得する、という条文が消えた訳ではありませんし、むしろ努力目標として達成すべきです管理チームも正規ビザで入国して様子を見ています。後に続く皆さんの良識ある行動を期待しています。